「黒字倒産」という言葉があります。
売上が上がっているのに、資金がまわらずやむなく事業を閉鎖、
そんな状況を黒字倒産と言います。
黒字倒産が起こる理由
黒字倒産は、試算表上は利益が出ている状態です。
紙の上では利益が出ていて、商品も売れている。
そうすると、
「もっと仕入れてもっと売り上げよう!」
どんどん仕入て、どんどん売る。
一見好循環のように見えます。
こういう場合の、お金の動きはこうです。
損益計算書では、利益が500出ています。
ではキャッシュはどうでしょう?
現金の売上は400
問題は買掛金と売掛金です。
通常、売掛金より買掛金の支払いサイクルが早いものです。
すると、400-600=△200
現金が足りません。
この状態が続くと、黒字倒産が起こります。
黒字倒産の対処法
1. 現金売上を増やす
とにかく現金での売り上げを増やすことです。
現金決済であれば、ポイントをつける。
割引を行うなど現金決済しやすい環境を作りが大切です。
2. 回収サイクルが早いクレジットを利用する
クレジットは15日サイクルで入金されるケースがほとんどです。
ですが、10日サイクルで入金される先もあります。
クレジットが多い場合、入金サイクルを早めるのも、キャッシュを作るポイントです。
3. 売掛金の条件を当初から厳しめに
業種にもよりますが、売掛金を手形や小切手で精算する場合もあります。
そうなると、さらに現金化するのに時間がかかってしまいます。
また、決済を2ヵ月~3ヶ月先に延ばさず、できるだけ翌月に決済してもらえるよう、最初の交渉が肝心です。
4. 売掛金の管理を怠らない
忙しくて、入金の管理ができていない場合もあります。
入金が遅れている先には、こまめに督促を行い、支払をスムーズに行ってもらえるような管理が必要です。
5. 在庫を抱えない
上の図からもわかるように、在庫を抱えても支払いは発生します。
できるだけ在庫を抱えない。
そして在庫の管理を行うことです。
知らない間に在庫が増えていた、そんなことにならないよう在庫管理は不可欠です。