インボイス経過措置「7・5・3制」

インボイス経過措置が「7・5・3制」へ!2026年10月からの変更点と実務のポイント
インボイス制度の開始後、免税事業者からの仕入れについても一定割合の税額控除が認められる「経過措置」が設けられていますが、令和8年度(2026年度)の税制改正により、この仕組みが見直されることになりました 。
当初の予定よりも緩和されつつも、段階的に控除率が下がる「長期戦」の実務が始まります。
1. 控除割合のスケジュール:2年延長と「70%控除」の新設
今回の改正は、控除期間の2年延長と、新たな区分である「70%控除」の導入です 。これまでは80%の次は50%に下がる予定でしたが、激変緩和措置として「70%」の期間が追加されました 。
今後の控除割合のスケジュールは以下の通りです。

2. 取引時期による判定:役務提供と商品仕入れの違い
控除割合が切り替わるタイミング(例:2026年10月1日)をまたぐ取引については、「いつの時点の割合を適用するか」が重要になります。判定基準は取引の内容によって異なります 。
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役務の提供(サービス) 原則として「役務の提供を完了した日」で判定します 。
(例)9月25日に開始し、10月5日に完了したサービスは、支払日がいつであっても全額「70%控除」となります 。 -
商品の仕入れ(資産の譲受け)
原則として「商品の引渡しがあった日」ごとに判定します 。
(例)9月中に納品された分は「80%」、10月1日以降に納品された分は「70%」と、納品日ごとに使い分ける必要があります 。
3. 短期前払費用としての処理
地代家賃や保守料などを1年分前払いし、「短期前払費用」として一括で経費処理している場合は、特例的な扱いが認められます 。
支払った課税期間において、支払日時点の控除割合を1年分全額に適用することが可能です 。
例えば、2026年1月に支払った1年分の保守料金について、その期間に80%控除を適用して申告している場合、その後契約変更などで金額に変動が生じた際の調整も、当初と同じ「80%」の割合で行うことになります 。
4. 「1億円ルール」による制限の厳格化
期間が延長された一方で、大規模な取引については制限が厳しくなります。 2026年10月1日以後に開始する課税期間から、同一の免税事業者等からの課税仕入れ合計額が、年間で「1億円(税込)」を超える場合、その超えた部分については経過措置が適用できなくなります 。
該当するケースは少ないかもしれませんが、これまでは10億円だった限度額が10分の1に引き下げられたため、不動産業や卸売業など、高額な取引が発生しやすい業種では特に注意が必要です 。
まとめ
2026年10月以降、控除割合の低下とともに管理が複雑化します。特に「役務完了日」と「引渡日」による判定の違いや、1億円の限度額設定など、経理実務におけるチェックポイントを今のうちに整理しておくことが重要です 。











