お客様にご相談されることが多い内容ですが、評価制度はあっても、うまく活用しきれていない所が多いように見受けられます。
個人目標の設定の仕方
個人目標を評価制度に組み込まれているところは多いですね。
上手に従業員さんに目標設定を行ってもらうには、事前準備が必要です。
①社長又は上司からビジョンを指し示す
・会社としての今期の目標を発表
・部署ごとの目標等を発表
自分の会社がどの方向に向かっていこうとしているのかを、従業員さんに理解してもらう。
②各個人への落とし込み
それぞれの従業員さんへ
「こうなって欲しい」
「このようなポジションを担って欲しい」
という希望や要望を提示する。
こうすることによって、目標を決める方向性が決定します。
③個人目標の設定
従業員さんは方向性がわかった状態にする。
その方向に向かうためにどんな目標にすればよいかを自分で考え目標を作る。
④個人目標の修正
上司と目標の内容確認。
・方向性が合っているか
・具体的な内容となっているか
・達成しているかどうか
判断ができる内容か等を考えて修正を行います。
⑤個人目標の決定
上記の過程を経て、個人目標が決定します。
決定した目標は、上司から社長へ伝え承認。
だいたいの場合が③のみの所が多いため、工程を増やすことにより具体的に各個人に落とし込むことができます。
目標設定の注意点
漠然とした表現を避ける。
例
「○○できるよう努力します」
「○○を頑張ります」
これは本人も何をしたらよいかわかっていません。
評価者も何を基準に評価すればよいのかわからなくなってしまいます。
「○○ができるよう○○に関するセミナーに〇回参加し、会社で報告します」等、具体的に。
本人も自覚でき、さらに評価もスムーズに行うことができます。
評価回数
目標設定をしたら、評価をする必要がありますが、社長が忙しく「目標を立てたのに、評価がない」若しくは「知らない間に評価されていたらしい」等ということが起こります。
これでは、設定した意味がありません。
ですので、必ず評価は面談して行ってください。
ではいつ評価をしたらよいでしょうか?
①年1回
時間もなく、年1度だけ評価面談を行う。
年1回の評価は、
・今年の総まとめを行うことと
・来年の目標設定の事前確認
本人も当初の目標を忘れてしまいがちです。
評価者も直前の働きのみを評価してしまう結果となり、挽回や修正の余地がありません。
②年2回
賞与時期等と合わせて行う。
前半と後半で目標の軌道修正を行えます。
実際に目標に正しく向かっている場合は前半の評価を正しく行えます。
目標からズレている場合は具体的に何が問題化を指摘。
本人は後半挽回する機会が得られます。
③年3回以上
年に3~4回行えるのが本当はベストです。
人の記憶は数か月くらい前までが限界です。
こまめに評価を行えば、それぞれの時点で問題がわかります。
また、意識に定着しやすく結果にもつながりやすいのです。
1回1回にかける時間も短くて済むため、評価の効率もあがります。
まとめ
人事評価を行うのに、本当に大切なのは経営者様の意識です。
取り組んではみたものの、忙しくて最後はいつもの感覚評価になってしまう。
ということが評価を正しく行えなくなる理由の一つになっています。
何を基準に評価されているかわからないよりも、自分の目標設定で評価点が決まるのではあれば、従業員さんも納得できます。
ですので、具体的な目標と評価が大切になるのです。
能力評価は5段階等の奇数にしないで下さい。
理由は評価者が真ん中をつけてしまい差がつかないから。
評価をする人も、あいまいな評価をやめる、これは大切なことだと思います。