今日は、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の住宅ローンの控除の注意点と、住宅ローンの借入時期についてお話します。
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の住宅ローン控除の注意点
住宅取得等資金の贈与を受けて、その資金を充てて購入した家屋又は土地については、その家屋又は土地等の取得対価の額から住宅取得等資金の額をそれぞれ控除する必要があります。
家屋又は土地等のいずれにあてたか不明な場合は、自己の持分に応じた家屋と土地等の取得対価の額であん分計算した住宅取得等資金の額をそれぞれ控除します。
住宅ローンが住宅の取得対価-住宅取得等資金の贈与額より小さい又は同じ場合
例 住宅の取得対価・・・・・3,500万円
住宅ローン・・・・・・・2,800万円
住宅取得等資金の贈与額・・700万円
3,500万円-700万円=2,800万円≧2,800万円
住宅ローン全額が控除の対象となります。
住宅ローンが住宅の取得対価-住宅取得等資金の贈与額より大きい場合
例 住宅の取得対価・・・・・3,500万円
住宅ローン・・・・・・・3,000万円
住宅取得等資金の贈与額・・700万円
3,500万円-700万円=2,800万円<3,000万円
住宅ローン控除額は2,800万円が限度となり、200万円は控除の対象となりません。
住宅ローン控除はもともと、住宅の取得以外に充てられたものについては、ローン控除の対象となりません。
これは、借り換えを行う際に手数料部分を上乗せして借り換えた場合等も同様です。
住宅ローンの借入時期の注意点
先日住宅取得等資金の贈与を受ける場合の注意点では、家屋の完成時期と贈与のタイミングに注意が必要といいました。
住宅ローンの場合、家屋の完成時期が年末から年始にずれ込む可能性がある場合が注意です。
住宅ローンは、住宅の完成後に借入という場合も多いのですが、手付金等の観点から住宅完成前に借入を行う場合もあります。
年内に住宅ローンだけが発生して、年末に住宅が完成していない場合、その年の住宅ローン控除の適用はありません。
これは住宅ローン控除は年末の時点で居住していることが要件となっているためです。
また、住宅ローン控除は居住年から10年ではなく、借入時(契約時)から10年ですので、控除できる年数が1年減ってしまいます。
1年目の残高が一番控除額が多くなりますので、家屋の完成時期と同一年に借入を行うようにしてくださいね。
まとめ
住宅取得等資金と住宅ローン控除を併用する場合は、住宅ローンが住宅の取得対価から住宅取得等資金の贈与額を差し引いた金額より大きい場合は、控除できない金額が発生するので注意が必要です。
住宅ローンの借入時期は家屋の完成時期の前年に借入れてしまうと、ローン控除額、控除年数が少なくなってしまうので、注意が必要です。