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【新リース会計基準】残価保証付リースの法人税と消費税、処理の違いに要注意!

今回は、新リース会計基準の導入に伴う「残価保証付リース資産」の税務処理について解説します。

令和7年度の税制改正により、法人税における減価償却のルールが大きく変わりました。しかし、消費税の取扱いは従来通り据え置かれているため、今後は両者の間で処理に「ズレ」が生じることになります。

実務で混乱しやすいポイントをすっきり整理していきましょう。

1.そもそも「残価保証額」とは?

残価保証額とは、リース期間終了時にリース資産の処分価額が、契約で定めた保証額に満たない場合、その満たない部分(差額)を借手が貸手に支払うこととされている保証額のことです

2.法人税と消費税の取扱いの違い

「所有権移転外ファイナンス・リース取引」における取扱いは、改正によって以下のように変わります。

① 法人税:残価保証額を含めて減価償却(令和7年度改正)

改正後の「リース期間定額法」では、リース資産の取得価額から残価保証額を控除せず、全額(備忘価額1円を残すところまで)を減価償却できるようになりました


  • 対象契約: 令和9年4月1日以後に締結された契約

  • 経過措置: 同日前の契約であっても、令和7年4月1日以後開始事業年度において、所定の期限までに税務署長へ届出をすれば、改正後と同様に1円まで償却可能です


② 消費税:残価保証額を除いた「リース料総額」がベース(改正なし)

消費税の取扱いは変わりません リース引渡し時に仕入税額控除の対象(課税仕入れ)となるのは、残価保証額を含めた取得価額ではなく、そこから残価保証額を差し引いた「リース料総額」となります

  • リース期間終了時の精算金は? もし最終的に処分価額が保証額を下回り、精算金を支払うことになった場合は、その金額が確定した課税期間の課税仕入れとして処理します

3.具体例でみる「計算のズレ」

以下の条件のリース契約を例に、具体的な金額で比較してみましょう

【前提条件】
 リース資産の取得価額:500万円
 残価保証額:100万円 (=リース料総額は400万円
 リース期間:5年
  期間終了時の実際の処分価額:70万円
 支払った精算金:30万円 (保証額100万円 − 処分価額70万円

改正前と改正後の比較表

区分 改正前 改正後

法人税

(償却費の計算)

毎年80万円ずつ償却

合計:400万円

毎年100万円ずつ償却

合計:500万円 ※1円残し

消費税

(仕入税額控除)

①取引開始時:400万円

②精算金支払時:30万円

合計:430万円

①取引開始時:400万円

②精算金支払時:30万円

合計:430万円

このように、改正後は法人税の償却合計と、消費税の課税仕入れ合計が一致しなくなります

まとめ:実務上の注意点

今回の改正により、残価保証付リース資産を取得した課税期間においては、「法人税の償却限度額計算上の取得価額」と「消費税の課税仕入れの額」が異なるという複雑な処理が発生します

取引開始時に「取得価額500万円だから、消費税も500万円が仕入税額控除の対象!」と勘違いして全額を課税仕入れにしてしまわないよう、十分にご注意ください

💡 補足
短期・少額リースに該当する場合や、新リース会計基準の適用対象外となる中小企業等で「賃貸借処理(支払ったリース料をその都度費用化する処理)」を行っている場合は、支払いに応じた分割控除も認められます

経理実務においては、リース契約書に記載されている「残価保証額」の有無と、その金額の確認を徹底しましょう!

 

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